教員採用試験の TOEIC は何点で免除・加点?2027年度(令和9年度)採用の自治体別

Otteric 編集部 ・ 公開

要約

教員採用試験で TOEIC が使えるかどうかと点数は、自治体ごとに違います。2027年度(令和9年度)採用の選考(2026年度に実施)の要項や案内の原本を開いて確かめた11の自治体では、使い道が「一次試験の一部免除」「加点」「特別な枠の受験資格」の3つに分かれました。点数は小学校の加点なら熊本県の500点、広島県の550点から、中学校・高校の英語の免除で福岡県の730点(中学)・900点(高校)、富山県の860点(受験資格)まで幅があります。東京都・神戸市・静岡県は L&R だけでは足りず、S&W を2.5倍して合算した点数で判定します。熊本市は L&R 785点かつ S&W 310点以上の両方が必要です。IP テストは、埼玉県・東京都・静岡県・神奈川県の特別選考・熊本県が認めず、広島県は認めています。取得時期の下限も、2024年4月1日以降、2024年6月1日以降など自治体で違います。表に載せたのは確かめられた自治体だけで、全国を網羅したものではありません。受験する自治体の最新の要項を必ず確かめてください。

「教員採用試験 TOEIC 何点」で調べると、「730点で加点」「860点で免除」といった目安は見つかります。ただ、実際の条件は自治体ごとに違います。同じ730点でも、一次試験の専門教科が免除になる県、5点が加点される県、そもそも小学校だけが対象の県があり、IP テストが使えるかも要項を読まないと分かりません。

このページでは、2027年度(令和9年度)採用の選考で使われた要項・募集要項・案内を自治体の公式サイトから取り、TOEIC に関わる条件を表にまとめました。IIBC(TOEIC を運営する国際ビジネスコミュニケーション協会)が公表している「教員採用試験における活用状況」も参照していますが、この資料は2025年度採用の選考についての調査です。自治体の条件は毎年変わるので、数字は要項の原本で確かめた分だけを載せています。

先に押さえたい年度の呼び方

「令和9年度」は、自治体によって指す選考が違います。神戸市・福岡県・熊本県・熊本市・広島県・静岡県・富山県・岡山県は、2026年度に実施する選考を「令和9年度(2027年度)」の名で出しています。一方、東京都・神奈川県・埼玉県は、同じ選考を「令和8年度実施」と呼び、「令和9年度採用」と添えています。この記事の「2027年度採用」は、どちらも2026年度に実施された、2027年4月採用の選考のことです。

2026年11月の時点では、この選考の一次試験(6〜7月)はすでに終わっています。いま TOEIC を準備している人は、次の年度の要項が春に公開されるまでの間、ここに載せた条件を目安にします。点数や取得時期の下限は年度ごとに変わりうるので、数字は「去年はこうだった」として読んでください。

自治体ごとの条件の一覧

「IP」の列は、要項に書かれていた扱いです。「記載なし」は、開いた要項に IP について書かれていなかったという意味で、認められる・認められないを示すものではありません。S&W を使う自治体のうち、東京都・神戸市・静岡県・岡山県は「L&R + S&W×2.5」の合算点で判定します(L&R の満点は990点なので、L&R だけでは届きません)。熊本市は L&R と S&W それぞれに下限があります。

自治体使い道と対象TOEIC の基準IP取得時期の条件
東京都(令和8年度実施・9年度採用)第二次選考の英語実技(Oral Interview)を免除。中・高共通、特別支援学校の英語、小学校全科(英語コース)L&R + S&W×2.5 で1,840点以上不可2024年7月6日以降に受験したもの
神奈川県(令和8年度実施・9年度採用)特別選考「英語資格所有者」(中学校・高校の英語):一次の教科専門試験を免除730点以上(L&R)除く受験申込期限(2026年5月7日)までに取得し、一次試験時に有効なもの
神奈川県(同上)小学校の受験者に5点を加点785点以上(L&R)記載なし同上
埼玉県(令和8年度実施・9年度採用)一次試験の合計点に10点を加点。小学校等、中学校等(英語)、高等学校等(英語)785点以上(L&R)不可時期は問わない
静岡県小学校:5点または3点を加点。中学校の英語の受験者:10点を加点小学校は1,560点以上で5点、1,150点以上で3点。中学校(英語)は1,560点以上で10点(L&R + S&W×2.5)不可(公開テストのみ)2024年4月1日から2026年3月31日までに取得
富山県一次検査の総合点に5点を加点(小学校、中学校・高校、特別支援学校)730点以上公開テストの公式認定証に限る2024年6月1日以降に受検し認定されたもの
富山県(同上、「特定資格」の選考)中学校・高校の英語の受検資格の一つ860点以上公開テストの公式認定証に限る2024年6月1日以降に受検し認定されたもの
広島県・広島市一次の筆記試験の得点に加点。小学校:730点で20点、600点で10点、550点で5点。中学校・高校の英語:860点で20点、730点で5点L&R のスコア(上記)団体受験(IP)のスコアも対象記載なし
神戸市第二次選考の合計点に10点を加点(全校種・教科)。大学3年生等早期チャレンジ選考と離職者対象の特別選考は対象外中学・高校の英語、特別支援学校の英語は1,845点以上。それ以外は1,560点以上(L&R + S&W×2.5)記載なし2024年4月1日から2026年3月31日までに取得
福岡県中学校の英語で730点、高校の英語で900点:一次試験の専門教科を免除(特例)。小学校教員:準1級程度(730点)で専門教科の得点に15点を加算。小学校教員(英語有資格者)は550点が受験資格の一つ730点、900点、550点(上記)記載なし(提出書類の例に公開テストの公式認定証)730点・900点・15点加算は2024年4月1日以降、550点は2021年4月1日以降
熊本県小学校教諭等に3点を加点(一次考査)500点以上(L&R)加点の対象としない記載なし
熊本市小学校、中学校・高校の英語に3点を加点1,095点以上(L&R 785点かつ S&W 310点以上)記載なし記載なし
岡山県(秋選考)小学校教諭等で「選考に当たって考慮する事項」の英語資格の一つ。加点の点数は記載なし1,150点以上(L&R + S&W×2.5)不可(公開テストのみ)記載なし

表から分かること

免除になるのは中学校・高校の英語が中心

TOEIC で一次試験の一部が免除になるのは、今回確かめた自治体では中学校・高校の英語の受験者です。神奈川県は一次の教科専門試験、福岡県は一次の専門教科が免除になります。東京都は、二次の英語実技が免除になります。神奈川県・福岡県は TOEIC の点数が730点ですが、東京都は L&R と S&W の合算で1,840点と、基準の形がまったく違います。

小学校は加点が中心で、点数はかなり低い

小学校の加点は、熊本県が500点、広島県が550点から、埼玉県・神奈川県が785点、福岡県が730点(準1級程度)までばらつきます。熊本県の500点は、英検2級・TOEFL iBT 42点と並ぶ「英語資格等所有者」の条件の一つで、3点です。点数は小さい加点ですが、一次試験の合計点で差がつく場面では効きます。

L&R だけでは届かない自治体がある

東京都(1,840点)、神戸市(1,560点・1,845点)、静岡県(1,150点・1,560点)は、S&W を含めた合算点で判定します。熊本市(1,095点以上)は L&R 785点かつ S&W 310点以上の両方が条件で、×2.5 ではなく単純な合計です。L&R の満点でも990点ですから、東京都や神戸市の英語の基準は、L&R だけでは満たせません。L&R だけを受けている人は、志望する自治体の条件を先に見て、S&W も受ける必要があるかを決めます。

IP テストの扱いはばらばら

埼玉県・東京都・静岡県は IP を不可、神奈川県の特別選考と熊本県は IP を除く、富山県と岡山県は公開テストに限る、と書いています。広島県は「団体受験制度(IP テスト等)のスコアも加点の対象に含む」と明記しています。神戸市・福岡県・熊本市は、開いた要項に IP の扱いが書かれていませんでした。学校や会社で受けた IP のスコアを持っている人は、そのスコアを使えるかどうかを、志望先ごとに要項で確かめてください。公開テストと IP の違いはTOEIC IP と公開テストの違いにまとめています。

取得時期の下限は「2年」より厳しいことも

TOEIC のスコアの有効期間は一般に2年と言われますが、教員採用試験の要項では、取得時期を日付で区切るところが多くありました。東京都は2024年7月6日以降、神戸市・静岡県は2024年4月1日から2026年3月31日まで、富山県は2024年6月1日以降です。埼玉県は時期を問わないと書いています。出願の直前に受け直しても、公式認定証の発行には日数がかかるので、締切から逆算して受験日を決めます。スコアの有効期限そのものは、TOEIC のスコアの有効期限は2年?に書いています。

条件の細かい違い

  • 神奈川県:一次試験の免除(特別選考④)は730点(IP を除く)、小学校の加点は785点と、同じ県の中で点数が違います。2025年4月以降に取得した TOEIC の成績を使う人は、デジタル公式認定証を印刷したものを提出します。大学3年生等早期チャレンジ選考の申込者は、加点制度を使えません。
  • 福岡県:小学校教員(英語有資格者)の区分では、TOEIC 550点以上が受験資格の一つ(2021年4月1日以降のスコア)で、一次の専門教科にある英語の試験が免除されます。中学校の英語730点、高校の英語900点は、特例の申請です。
  • 熊本県と熊本市:同じ県内でも、熊本県は小学校教諭等だけが対象で500点・3点、熊本市は小学校と中学校・高校の英語が対象で1,095点・3点と、基準が大きく違います。
  • 広島県・広島市:加点が最も大きく、小学校で730点以上なら20点、中学校・高校の英語で860点以上なら20点です。点数の階段が細かいので、取れたスコアの帯で加点が変わります。対象の選考は、一般選考、一般選考(大学3年生等チャレンジ受験)、大学等推薦特別選考です。
  • 富山県:加点は小学校・中学校・高校・特別支援学校のすべてで5点です。別枠の「特定資格」の選考では、中学校・高校の英語の受検資格に TOEIC 860点以上があります。
  • 岡山県:ここに載せたのは「秋選考」の要項で、小学校教諭等に限られ、点数の記載はありません。春の選考とは別の要項です。

IIBC の資料との関係

IIBC の「教員採用試験における活用状況」は、2024年7〜8月の調査をもとに、2025年度採用の選考(2024年度実施)での TOEIC の優遇措置をまとめた資料です。回答は67件(都道府県47・政令指定都市20)で、活用のある66件(都道府県46・政令指定都市20)が掲載されています。IIBC 自身が、詳細は各自治体の要項で確かめるよう案内しています。この資料の熊本県の欄は、今回確かめた令和9年度の要項と同じ、500点以上で3点の加点でした。ただし、ほかの自治体の基準は年度で変わるので、一覧として使うときは、掲載年度を見てください。

受験前の数か月で、点数を安定させる

730点や785点を目指す人は、目標までの差を数字で見ておくと、残りの期間の使い方が決まります。

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出典

よくある質問

教員採用試験で TOEIC は何点あれば加点や免除になりますか?

自治体と校種で違います。今回確かめた範囲では、小学校の加点は熊本県が500点以上で3点、広島県が550点で5点(600点で10点、730点で20点)、神奈川県・埼玉県が785点以上です。中学校・高校の英語の免除は、福岡県が730点(中学)と900点(高校)、神奈川県が730点(IP を除く)で、東京都は L&R と S&W の合算で1,840点以上です。受験する自治体の最新の要項で確かめてください。

教員採用試験の TOEIC は、IP テストでも使えますか?

自治体で違います。埼玉県・東京都・静岡県は不可、神奈川県の特別選考と熊本県は IP を除く、富山県と岡山県は公開テストのみと書いています。広島県は団体受験制度の IP テスト等のスコアも加点の対象に含むと明記しています。神戸市・福岡県・熊本市は、開いた要項に IP の扱いが書かれていませんでした。

TOEIC L&R だけで、東京都や神戸市の英語の基準を満たせますか?

満たせません。東京都の英語実技の免除は L&R に S&W の点数を2.5倍にして足した1,840点以上、神戸市の英語の加点は同じ方法で1,845点以上(その他の教科は1,560点以上)です。L&R の満点は990点なので、S&W のスコアも必要です。

教員採用試験で使える TOEIC のスコアは、いつ取ったものまでですか?

自治体で違います。東京都は2024年7月6日以降に受験したもの、神戸市と静岡県は2024年4月1日から2026年3月31日までに取得したもの、富山県は2024年6月1日以降に受検したものです。埼玉県は取得時期を問わないと書いています。広島県・熊本県などは、取得時期の条件が書かれていませんでした。

小学校の教員採用試験でも TOEIC は使えますか?

使える自治体があります。熊本県(500点以上で3点)、広島県(550点以上で5点から、730点以上で20点)、神奈川県(785点以上で5点)、埼玉県(785点以上で10点)、静岡県(1,150点以上で3点、1,560点以上で5点)、神戸市(1,560点以上で10点)などです。福岡県の小学校教員(英語有資格者)の区分では、550点以上が受験資格の一つです。