ChatGPT で TOEIC の勉強はあり? 向く使い方と、問題づくりに任せない理由
Otteric 編集部 ・ 公開
要約
ChatGPT で TOEIC の勉強をしてもかまいません。ただし、役に立つのは解説の言い換え・単語の例文・間違えた理由の相談・学習計画のたたき台で、「本番と同じ形式・難易度の問題を大量に作ってもらって解く」使い方には限界があります。AI が作った問題は、正解が複数になったり、解答が間違っていたり、Part 1〜4 の音声がなかったりすることがあるためです(一般に指摘される懸念で、このページで実測したものではありません)。おすすめの流れは、① 公式問題集・公式サンプル問題・解答と解説があらかじめ確認された問題で解く → ② 間違えた理由を ChatGPT に聞く → ③ 出てきた語句の例文を作ってもらうです。IIBC の公式サイトには、Part 1〜7 すべてのサンプル問題(出題形式の説明つき)が載っているので、AI が作った問題の形式が合っているかを確かめる基準にできます(2026年10月28日に確認)。ChatGPT の無料版は、OpenAI の公式ヘルプ(2026年10月28日確認)で、日常的なテキストのチャットには回数の上限がなく、ファイルや画像などのツールには別の上限があるとされています。Otteric のように、正答と根拠ハイライト付きの解説が用意された問題を無料で毎日解けるアプリと組み合わせる方法もあります。
「ChatGPT に TOEIC の問題を作ってもらって、それを解けばいいのでは?」と考える人は増えています。無料で、いくらでも、好きな Part を出してくれるように見えるからです。実際に役立つ場面は多くあります。一方で、問題そのものを AI に任せると、点数につながりにくい理由もあります。
このページでは、ChatGPT に向く使い方と向かない使い方を分けて、問題集・公式教材・アプリとの組み合わせ方を具体的に書きます。TOEIC の形式とサンプル問題は、2026年10月28日に IIBC の公式サイトで確かめました。ChatGPT の無料の範囲は変わりやすいため、確かめられた範囲だけを書き、最後に確認先を示します。
ChatGPT で TOEIC の勉強をしてもいい?
結論は「使い方次第」です。ChatGPT は文章を読んで説明したり、言い換えたり、例文を作ったりするのが得意です。これは TOEIC の勉強で「間違えたあとの理解」を深めるのに向いています。
反対に、「出題する側」に回すと弱点が出ます。TOEIC の問題は、正解が1つに決まり、残りの選択肢が「紛らわしいが明確に誤り」になるように作られています。文章を自然に書ける AI でも、この設計を毎回守れるとは限りません。しかも、できた問題が正しいかどうかを、いちばん確かめにくいのは、まさに勉強中の本人です。
つまり、ChatGPT は先生役・辞書役としては便利ですが、問題集の代わりにするには向きません。この区別が、このページの中心です。
本番の形式を先に確認する:IIBC の公式情報
AI に問題を作ってもらう前に、本番がどういう形式かを知っておく必要があります。IIBC の 問題形式のページによると、TOEIC L&R は約2時間・200問、マークシート方式の選択式です。
| セクション | Part | 内容 | 問題数 | 時間 |
|---|---|---|---|---|
| リスニング | Part 1 | 写真描写 | 6問 | 約45分(100問) |
| リスニング | Part 2 | 応答問題 | 25問 | |
| リスニング | Part 3 | 会話問題 | 39問 | |
| リスニング | Part 4 | 説明文問題 | 30問 | |
| リーディング | Part 5 | 短文穴埋め | 30問 | 75分(100問) |
| リーディング | Part 6 | 長文穴埋め | 16問 | |
| リーディング | Part 7 | 読解問題 | 54問 |
(IIBC の問題形式のページより。2026年10月28日確認)
同じページには、Part 1〜7 すべてのサンプル問題が公開されています。各 Part に出題形式の説明(Directions)がつき、たとえば Part 5 のサンプルは5問で、正解も載っています。サンプルの著作権は ETS にあり、無断で複製して使うことはできません。このため、このページには問題文を載せていません。リンク先で直接読んでください。
このサンプルは、AI が作った問題が「本番の形式から外れていないか」を確かめる物差しとして使えます。選択肢の数、1文の長さ、問われ方を見比べるだけでも、ずれに気づけます。
ChatGPT に向く使い方 4つ
1. 解説の言い換え・かみ砕き
問題集の解説が難しいとき、解説文を貼って「中学生にも分かる言い方で説明して」と頼む使い方です。出題された問題と解説の文章がすでにあるので、ChatGPT は「説明を言い換える」だけで済み、間違いが入り込む余地が小さくなります。
2. 単語の例文・使い分け
覚えたい単語を渡して、ビジネスの場面を想定した例文を作ってもらいます。たとえば「単語帳に出てきた語句を、メールの文面で使った例文3つにして」という頼み方です。IIBC も、単語は用例とあわせて覚えることを勧めています(リーディング対策の記事)。例文の英語自体が不自然に見えたら、別の例文で確かめます。
3. 間違えた問題の理由を聞く
問題文・選択肢・自分が選んだ答え・正解を貼り、「なぜ自分の答えが違うのか」を聞きます。解説を読んでも納得できないとき、別の角度から説明してもらえます。ここでも問題と正解は公式教材など確かなものから持ってくるのがポイントです。ChatGPT の説明が根拠のない推測になっていないかは、問題集の解説と見比べます。
4. 学習計画のたたき台
試験日・現在のスコア・1日に使える時間を伝えて、週ごとのメニューの案を作ってもらう使い方です。これは正解が1つに決まるものではないので、AI の得意分野です。出てきた案をそのまま使うより、自分の生活に合わせて直す前提で使います。計画の作り方は 初めての TOEIC は何から始める?も参考になります。
ChatGPT に向かない使い方 3つ
1. 本番の形式・難易度の問題を大量に作る
「Part 5 を100問作って」と頼むと、問題の数は確かに出てきます。しかし、次のようなことが起こりえます。
- 選択肢の中に、正解として成り立つものが2つ以上ある
- 示された「正解」が間違っている
- 問われている文法・語彙が、本番の Part 5 で問われる範囲からずれている
- 難しさが毎回違い、いまの実力に合っているか分からない
次に、起こりうる誤りの例を1つ挙げます。これは ChatGPT の実際の出力ではなく、この種のミスを説明するために私たちが作った例です。
The manager asked the staff to submit their reports ( ) Friday. (A) by (B) until (C) on (D) at 「正解:(A) by」
この問題は、(A) の by(期限)が正解に見えます。ところが、文脈によっては (C) の on も自然に成り立ちます(on Friday は「金曜日に」)。「期限」の意味を確実に問いたいなら、「提出する期限」であることが分かる文を書く必要があります。TOEIC の公式問題は、こうした曖昧さが出ないように設計されています。AI が作った問題だと、この見落としが混ざりうるうえ、勉強中の人は気づけません。
2. リスニング(Part 1〜4)の音声問題
リスニングは約45分・100問で、本番では音声を聞いて答えます。ChatGPT に問題を作ってもらっても、本番と同じ話し方・速さ・音声の問題を安定して用意するのは難しく、写真描写の Part 1 には写真が必要です。リスニングの練習は、公式問題集の音声のように、本番に近い音声がついた教材のほうが確かです。
3. 正答の保証
問題の正解が正しいことの保証は、AI が作った問題にはありません。公式問題集や、正答と解説があらかじめ確認された問題であれば、「間違えたのは自分の側に原因がある」と考えて復習できます。AI が作った問題だと、間違えたのが自分なのか問題なのかが分からなくなり、復習の効率が下がります。
ChatGPT は無料で使える?
ChatGPT には無料で使える範囲があり、文章の質問や解説の言い換えなどに使えます。ただし、無料で使える機能や回数の上限、標準で使われるモデルは、OpenAI が更新するたびに変わります。
2026年10月28日に、OpenAI の公式ヘルプ(ChatGPT Free Tier FAQ、更新は約 8 日前)をブラウザで開いて確かめた内容は次のとおりです。
- 無料ユーザーの「日常的なテキストのチャット」は、不正利用の防止の範囲内で回数の上限がないと書かれています。
- ファイルのアップロード、画像の生成、音声、データ分析などのツールには、別の利用上限があります。上限に達すると通知され、後でもう一度使えるようになります。
- 標準で使われるモデルと上限は、時間がたつと変わります。モデル名はここには書きません。
- 国によっては、無料版に広告が出ることがあります。
問題を考えてもらう、解説を言い換えてもらう、といった文章のやりとりは、この日常的なテキストのチャットにあたります。ただし、ヘルプの内容は変わるので、使う前に最新の内容を確認してください。
この点は、勉強の組み立てにも関わります。画像やファイルを使う場合は別の上限があるので、問題集の写真を何枚も読み込ませるような使い方より、「間違えた理由を聞く」「例文を作ってもらう」のようなテキストのやりとりを中心にするほうが、無料の範囲で続けやすくなります。
問題集・公式教材・アプリと組み合わせる流れ
おすすめは、問題は確かなものから出し、ChatGPT は理解の補助に使うという分担です。
| 段階 | やること | 使うもの |
|---|---|---|
| 1. 形式を知る | Part 1〜7 の公式サンプル問題を読み、出題形式を確かめる | IIBC のサンプル問題(無料) |
| 2. 問題を解く | 正答と解説が確認された問題を毎日解く | 公式問題集、問題集、無料で使える対策アプリ |
| 3. 間違えを分ける | 間違えた問題を「知らなかった」「読み間違えた」「時間が足りなかった」に分ける | 自分で。苦手な Part の見つけ方は 苦手な Part を知る方法 |
| 4. 理由を聞く | 納得できない問題だけ ChatGPT に説明を頼む | ChatGPT(問題・解説・自分の答えを貼る) |
| 5. 語句を定着させる | 出てきた単語・表現の例文を作ってもらう | ChatGPT、単語帳 |
| 6. 現在地を測る | 定期的に本番形式の模試で測る | 公式問題集、模試 |
1日の使い方の例は、次のとおりです。
- 問題集やアプリで Part 5 を10問解く(5〜10分)。
- 間違えた問題のうち、解説を読んでも分からない1〜2問だけを ChatGPT に聞く。
- 出てきた語句の例文を3つ作ってもらい、1つ声に出して読む。
ChatGPT に聞く問題を絞ると、無料で使える範囲の上限が気になる場面も減ります。
AI が作った問題をどうチェックするか
それでも AI に問題を作ってもらいたい場合は、次の点を確かめてから使います。
- 公式サンプルと見比べる:同じ Part の IIBC のサンプル問題と、選択肢の数・文の長さ・問われ方を比べます。
- 正解が1つだけか確かめる:他の選択肢を空欄に入れて、本当に不自然になるかを確かめます。迷ったら、その問題は使いません。
- 正解を別の方法で確かめる:文法書・辞書・公式の解説で、正解の根拠を確かめます。
- 形式からずれた問題は捨てる:Part 5 の4択ではなく3択になっている、Part 7 の文書が短すぎる、などは本番の練習になりません。
- 模試の代わりにしない:本番の難易度の目安を知るには、公式問題集などで測ります。
この手間がかかるなら、はじめから正答と解説が確認された問題を使うほうが、勉強の時間を使えます。
同じことを Otteric でやると
Otteric は、TOEIC L&R 専用の対策アプリで、ブラウザで動きます。上の流れの「問題を解く」「間違えた問題の解説を読む」の部分に使えます。
- 正答と根拠ハイライト付きの解説が用意された問題を、無料で毎日解けます。 無料プランは演習が1日3セット(1セット5〜10分)で、Part 1〜7 に対応しています。会員登録は無料で、クレジットカードは要りません。
- 解説は日本語で読めます。 根拠ハイライト付きの解説と訳が無料で読めるので、まず解説を読み、それでも分からない点だけ ChatGPT に聞く、という使い方ができます。
- 現在地を測れます。 14問・約6分の診断は登録前に受けられ、いまのスコア帯と、Part 2・3・5・7 の手応えが分かります。30問模試(約18分)は無料プランで月2回まで、予想スコアが出ます。
- 単語帳は100語まで無料です。 解説で出会った語句をためておき、例文づくりだけ ChatGPT に頼む、という分担もできます。
- 無料の上限: 演習は1日3セットまでで、超えたその日は新しく始められません(翌日に戻ります)。復習・学習履歴・単語帳は上限の日も使えます。
Otteric にできないこと
Otteric には、ChatGPT のように自由に質問して答えてもらう機能(AI 英会話・AI への質問)はありません。公式問題集や市販教材(本・音声)、講義動画、TOEIC Speaking/Writing、英検・IELTS など他の試験も収録していません。無料の範囲では、200問・100問・50問の模試は使えません(プレミアムの機能です)。個別の質問は ChatGPT、公式問題での本番練習は公式問題集、と使い分けてください。
目的ごとの選び方
- 間違えた問題の理由が分からない:解説を読んだうえで、ChatGPT に問題・解説・自分の答えを貼って聞きます。
- 単語を例文で覚えたい:ChatGPT で例文を作ってもらい、単語帳に保存します。
- 学習計画を立てたい:試験日・現在のスコア・使える時間を伝えて案をもらい、自分で直します。
- 本番の形式に慣れたい:IIBC の公式サンプルと公式問題集を使います。AI が作った問題は使いません。
- リスニングを練習したい:音声のある公式教材か、リスニングに対応した対策アプリを使います。ChatGPT で問題を作る使い方は向きません。
- お金をかけずに毎日の演習を続けたい:Otteric の無料プランで1日3セットまで解き、分からない点だけ ChatGPT に聞きます。アプリの無料範囲の比較は TOEIC 対策アプリの無料範囲の比較にあります。
よくある質問
ChatGPT で TOEIC の勉強をしてもいいですか?
使い方次第で役に立ちます。解説の言い換え、単語の例文づくり、間違えた理由の相談、学習計画のたたき台には向いています。一方、本番と同じ形式・難易度の問題を大量に作る、音声問題を用意する、といった使い方には限界があります。
ChatGPT に TOEIC の問題を作ってもらって解けばいいですか?
おすすめしません。AI が作った問題は、正解が複数になる、正答が間違っている、本番の形式からずれる、といったことが起こりえますし、勉強中の人には誤りが見分けにくいためです。問題は公式問題集や、正答と解説が確認された教材から出し、ChatGPT は理解の補助に使う分担が確実です。
TOEIC の公式サンプル問題はありますか?
あります。IIBC の公式サイトの問題形式のページに、Part 1〜7 のサンプル問題と出題形式の説明(Directions)が公開されています(2026年10月28日確認)。著作権は ETS にあるため、無断で複製して使うことはできません。AI が作った問題の形式が合っているかを見比べる基準にもなります。
ChatGPT は無料で TOEIC の勉強に使えますか?
はい。OpenAI の公式ヘルプ(2026年10月28日確認)では、無料ユーザーの日常的なテキストのチャットは、不正利用の防止の範囲内で回数の上限がないとされています。ファイルのアップロード、画像の生成、音声、データ分析などは別の利用上限があります。標準のモデルと上限は変わるので、使う前に最新の内容を確認してください。
ChatGPT で TOEIC のリスニング対策はできますか?
問題の作成・音声の用意という点では向きません。本番のリスニングは約45分・100問で、音声を聞いて答えます。リスニングの練習は、公式問題集の音声のように、本番に近い音声がついた教材を使うほうが確実です。聞き取れなかった箇所の説明を頼むような補助的な使い方はできます。
AI が作った TOEIC の問題の正しさはどう確かめればいいですか?
公式サンプルと形式を見比べ、正解が1つだけかを確かめ、文法書や公式の解説で正解の根拠を確かめます。迷う問題は使わないほうが安全です。この確認に手間がかかる場合は、最初から正答と解説が確認された問題を使うほうが効率的です。
ChatGPT と TOEIC 対策アプリはどう使い分けますか?
問題を解いて解説を読む部分はアプリや問題集、納得できなかった問題の理由の相談や、単語の例文づくりは ChatGPT、という分担が向いています。Otteric は演習が1日3セットまで無料で、根拠ハイライト付きの解説が読めます。
Otteric は ChatGPT のように質問に答えてくれますか?
いいえ。Otteric には AI への自由な質問機能や AI 英会話はありません。正答と根拠ハイライト付きの解説が用意された問題を解く形です。個別の疑問は ChatGPT などに聞き、問題を解く部分に Otteric を使う分担ができます。