覚えてもすぐ忘れる人へ:忘れたころに復習させてくれる単語アプリの比較(Anki・mikan・abceed・Otteric)
Otteric 編集部 ・ 公開
要約
「覚えてもすぐ忘れる」ときは、忘れかけたころに自動でもう一度出してくれるアプリが助けになります。ただ、公式ページで復習の仕組みを説明しているアプリは多くありません。Anki は復習の間隔を計算する方式(SM-2 と FSRS)を公式に説明していて、iPhone 版(AnkiMobile)は 4,000 円、Android 版(AnkiDroid)は無料です。mikan は App Store の説明で、独自のアルゴリズムが習熟度を判定すると案内していますが、間隔の日数は公表していません。abceed は 20,000 問以上から弱点に合う問題を AI が選ぶ作りで、単語の復習の間隔は公式の案内で確認できませんでした。Otteric の単語帳は、評価に応じて次に出す日が 1 日後・3 日後・14 日後と決まり、無料で 100 語まで使えます。
「単語を覚えたはずなのに、1 週間後には忘れている」。これは覚え方が悪いというより、復習のタイミングの問題であることが多いです。そこで、「忘れたころに復習させてくれる」アプリを探す人が増えています。
このページでは、TOEIC の単語を覚えるときに名前が挙がるアプリについて、復習をどう出してくれるかと無料でどこまで使えるかを、公式ページと App Store で確かめた内容で並べます。復習の間隔を決める考え方そのもの(分散学習・想起練習)や、1 日に覚える語数は TOEIC の単語は 1 日何個? に書いたので、ここでは省きます。
復習の出し方で、アプリは 3 種類に分かれる
公式の案内で確かめられた範囲では、次のように分かれます。
- 間隔の計算方式まで公開している:Anki。
- アプリが習熟度を判定して出すと案内しているが、間隔の日数は公表していない:mikan。
- 復習の間隔について、公式の案内では確認できなかった:abceed。問題の出し分けは AI が行うと案内されています。
「復習の間隔」を知りたいなら、公開されていて自分で設定も変えられる Anki が最も確かめやすく、その代わり単語カードは自分で用意する必要があります。TOEIC の教材がそろったアプリで手間なく始めるなら mikan や abceed、というのが大まかな分け方です。
比較表(2026年11月時点)
| アプリ | 復習の出し方(公式の案内) | 無料の範囲 | 有料 |
|---|---|---|---|
| Anki | SM-2 と FSRS の 2 つの方式から選ぶ。答えのボタンごとに、次に出る時期が表示される | AnkiDroid(Android)は無料。公式サイトに AnkiWeb の同期サービスは無料とある | AnkiMobile(iPhone・iPad)は App Store で 4,000 円 |
| mikan | 知っていたら右、知らなかったら左にカードをめくり、独自のアルゴリズムが習熟度を判定して、習熟度に合う単語を出すと案内 | 無料教材の単語学習と発音。my単語帳は登録数は無制限で、学習で単語を表示できるのは月 20 回まで | Lite は 1 か月 1,000 円、Premium は 1 か月 1,800 円(Premium はすべての教材が使い放題) |
| abceed | AI が 20,000 問以上から、レベルと弱点に合う問題を選ぶ。単語の復習の間隔は公式の案内で確認できなかった | 教材・音声の一部(詳しくは無料の範囲の記事) | Pro は 1 か月 3,300 円 |
| Otteric | 評価ごとに、次に出す日が 1 日後・3 日後・14 日後に決まる(下で説明) | 単語帳 100 語まで、期限なし・カード不要 | プレミアム(月額 890 円・税込)で語数が無制限 |
mikan と abceed の無料体験の日数・解約・学割は、mikan は無料でどこまで使える? と abceed は無料でどこまで使える? にまとめています。
Anki は復習の方式まで公開されている
Anki の公式 FAQ によると、Anki 23.10 以降は 2 つの方式から選べます。1 つは SuperMemo 2(SM-2)をもとにした方式で、もう 1 つが FSRS です。FSRS は、使う人の記憶のしかたを学んで、より効率よく復習の日を決めることをねらった方式だと説明されています。
公式のマニュアルでは、答えのボタン(Again・Good など)を押すと、そのカードが次に出る時期がボタンごとに表示されると説明されています。FSRS を有効にするときは、使っているすべての端末が対応している必要があり、AnkiMobile・AnkiWeb は 23.10 から、AnkiDroid は 2.17 以降が対応です。
向いているのは、復習の間隔を自分で調整したい人です。TOEIC 用の単語カードが最初から入っているわけではないので、自分で作るか、共有されているデッキを探す手間がかかります。iPhone 版は App Store で 4,000 円、Android 版の AnkiDroid は公式サイトで無料と案内されています。
mikan は習熟度で出し分け、間隔の日数は公表されていない
mikan の App Store の説明には、「mikanが独自のアルゴリズムで覚えたかどうかの習熟度を判定します」「知っていたら右へ、知らなかったら左へカードをめくるだけで、あなたの習熟度にあわせた適切な単語が表示され、学習できます」とあります。App Store の説明には「覚えていない単語は何回も触れて、暗記しよう!」ともあります。
何日後に出すのかという間隔の数字は、App Store の説明・公式ヘルプからは確認できませんでした。「忘れたころ」を日数で確かめたい人には、中身が見えにくい作りです。一方、自分で日付を管理しなくてよく、無料でも単語学習と発音が使える点は、手間なく始めたい人に合います。無料プランは無料教材のみで、my単語帳は登録数は無制限、学習で単語を表示できるのは月 20 回までです(プラン比較のヘルプでは「20単語 / 月」と書かれていますが、my単語帳の FAQ は「同じ単語を繰り返しても月 20 回まで」と説明しています)(mikan は無料でどこまで使える?)。
abceed は問題の出し分けが中心。単語の復習の間隔は確認できなかった
abceed の App Store の説明には、「AI問題レコメンド:20,000問以上から、あなたのレベルと弱点に最適な問題をAIが自動選出」とあります。問題演習のおすすめの出し分けについての案内で、単語帳の復習を何日後に出すかという説明は、公式ページでは見つかりませんでした。
TOEIC の公式問題集や『金のフレーズ』など教材の数がいちばん多いのが強みなので、「単語帳の教材そのもの」を探している人は、料金とあわせて abceed の記事 を見てください。
Otteric の単語帳は、評価で次に出す日が決まる
Otteric は TOEIC® L&R 専用の対策アプリで、単語帳は演習で間違えた問題の単語が自動で追加されます(設定でオフにもできます)。解説から気になった語を足すこともできます。無料プランで 100 語まで登録でき、100 語を超えると新しい語は追加できませんが、登録済みの語の復習は続けられます。
復習の予定日は、単語ごとに次の日数で決まります。
| 状態 | 次に出す日 | その状態になる条件 |
|---|---|---|
| 新しく追加した語 | すぐに出題の対象 | 追加直後 |
| 苦手 | 1 日後 | 「わからない」「不正解」のとき(どの状態からでも) |
| 学習中 | 3 日後 | 新しい語を正解したとき、苦手の語が 2 回続けて正解になったとき。学習中で 2 回続けて正解すると「定着」へ。「迷った」は、新しい語・定着の語は学習中に、学習中・苦手の語は今のまま |
| 定着 | 14 日後 | 学習中で 2 回続けて正解したとき |
間違えた語は翌日にまた出て、苦手から抜けるには 2 回続けて正解が必要です。定着した語は 14 日あいてから出ます。出題は、予定日を過ぎた語の中から、苦手な語・過ぎた日数の長い語を優先して 1 セット 10 語になります。評価の方法は、4 択か、カード(覚えた・迷った・わからない)です。同じ単語を同じ日に何回評価しても、記録は 1 日 1 回分だけです。
間隔は状態ごとの固定の日数です。その分、日付の管理を考えずに、アプリを開けば今日の分が並びます。市販の単語帳は入っていないので、頻出語を順に覚える 1 冊は本や mikan・abceed に任せ、Otteric では問題で出会った語を復習する、という分け方が合います。機能と料金は Otteric の特長 にまとめています。
選び方
- 復習の間隔を自分で決めたい・理由まで知りたい:Anki。カードは自分で用意します。
- TOEIC の単語帳の教材で、手間なく始めたい:mikan。無料教材から試せます。
- 公式問題集などの教材を 1 つのアプリで使いたい:abceed。
- 問題で間違えた語を、予定日つきで復習したい:Otteric。無料は 100 語まで。
1 日に何語覚えるかは TOEIC の単語は 1 日何個?、『金のフレーズ』が難しいと感じたら 『金のフレーズ』は初心者には難しい? を、アプリ全体の無料範囲は TOEIC 対策アプリの無料範囲の比較 を見てください。
よくある質問
忘れたころに自動で復習を出してくれる単語アプリはどれですか?
復習の間隔の仕組みが公式に説明されているのは Anki(SM-2 と FSRS)です。mikan は習熟度に合わせて単語を出すと App Store で案内していますが、間隔の日数は公表されていません。Otteric の単語帳は、苦手 1 日後・学習中 3 日後・定着 14 日後に復習の予定日が決まります。
Anki は無料で使えますか?
Android 版の AnkiDroid は無料と公式サイトで案内されています。iPhone・iPad 版の AnkiMobile は App Store で 4,000 円です。
mikan の復習は何日後に出ますか?
App Store の説明には、独自のアルゴリズムで習熟度を判定し、習熟度に合う単語を出すとありますが、何日後に出すかは公式の案内で確認できませんでした。
Otteric の単語帳は何日後に復習が出ますか?
間違えた語(苦手)は 1 日後、正解した語(学習中)は 3 日後、学習中で 2 回続けて正解した語(定着)は 14 日後です。固定の日数で、設定では変えられません。無料プランは 100 語まで登録できます。